10月2日 氷川屏風岩
奥多摩駅から坂の住宅街をしばらく歩くと浄水場がある。浄水場の脇の階段を上がって行くと左手に柚子の木、さらに上がって登山口だ。
昔は多くのクライマーが賑わっていたようだがたくさんの岩場が開拓されたことと氷川屏風岩のアプローチの辛さから今ではそこまで人気のあるエリアではないようだ。
しかし氷川屏風岩といえば知る人ぞ知る『低脂肪 13b』がある。今は13bに改定されているが以前は13a。ワイルドなボルト間隔とボルト数、渋いムーヴに最高のロケーションと納得の3つ星ラインだ。
今年の3月ごろに1トライだけやったが、その時はビョーバー13bを登っていたのでまだ完登しておらず。登る気ではいるが今日の目的は『シュナラオババの涙ダイレクト 13c(以下ダイレクト)』。
初登時は岩の途中からスタートして12bというグレードで発表されていたが下部もフリー化されて完全体となっている。ということもあってダイレクトという名が付いているわけだ。
まずはアップでニューリッチ(11d)。ホールドわかってないと非常に登りづらいが、わかるとアップに最適な気持ちいいルート。しかし低〜中程度の一定した負荷がずっと続くルートは実は苦手。2回登ったがそれで少し疲れてしまった。
そしてダイレクトをトライ。
ーーシュナラオババの涙ダイレクト 5.13cーー
この角度で見るとかぶり具合がよくわかる。下部をこなすred。
まずは新しくフリー化された下部だ。オリジナルスタート地点までの数mのボルダーパート。
なんとなくチョーク跡を頼りに体が動くままに登る。悪い左手カチからガストン、サイドの痛いガバから甘いカチスローパー。何回かやって下部のムーヴバラシは成功。ダイレクトの初登者曰く、得手不得手がはっきり分かれるパートで私は得意な強度と動きで割とすんなり下部は突破した。
そしてオリジナルスタート地点、ここでレストできる。
ホールド自体は結構いいが足位置の悪さ、負荷のかかる傾斜、ここっていう核心のない一定した強度が前腕を燃えさせる。
強度の高さは間違いなく下部なのだが、個人的に中負荷がずっと続くメリハリのない上部の方がずっと苦手。
しかし上部のはっきりしたホールド感と力押しできない繊細な足さばき、など内容はすごく良い。もっと登られてもいい良課題だ。
この日は仕事の疲れもあってムーヴのバラシだけで終了。
しかしもう10月なのに暑い、岩の状態ははっきり言ってよくない。ベストまではいかずとももう少し良い状態の時を待つしかない。
下から見ると威圧感のあるフクロウ岩。ロープはニューリッチからオババに繋げるライン(12d)。ダイレクトはもっと左からスタート。